2013年
9月
21

“生殺与奪の権”を国に与えてよいのか?ロックの私有財産肯定の思想が自由を守る。

2009年に基礎年金の国庫負担率が3分の1から2分の1に引き上げられました。その際の前提が、消費増税などによる財源の確保でした。

そもそも、年金を税金で賄うという発想自体に危険が潜んでいます

「老後を国に面倒を見てもらう」ということは、“生殺与奪の権”を国に与えるということです。もし、国が突然「年金にお金を出せない」と言いはじめたら、「老人は死ね」ということになりかねません。ですから、一見優しいような政策は、国民の生命を国に委ねることになり、その結果、国民は国の意向に逆らえなくなるのです。

やはり、私有財産があることが、国民の自由を確保し、命を保証することになります。

ロックイギリスの経験論哲学を確立したジョン・ロックは言っています。「自由とは、自分が支配下にある法の許す範囲内で、自分の身体、行為、財産、および全所有物を、自分の好むままに処理し、整理し、その際他人の勝手気ままな意志には服従せず、自由に自分の意志に従う自由のことであると。ここに私有財産を肯定する思想が流れています。

私有財産があるから、人は精神的に独立し、自由にものを言い自由に行動することができるのです

日本には、国がすべての面倒を見てくれることを“良し”とする雰囲気があります。この空気が非常に危険です。

「消費増税は仕方ない」と思わされている“善良な日本人”が多くなると、じわじわと税金が上がっていき、逆に国を滅ぼすことにつながりかねないのです。

さらに、ロックは法の目的は、自由を廃止したり制限したりすることではなく、自由を保全し拡大することなのであるとも述べております。自由というものは、その尊さを意識的に確保していかねば、いつの間にかに阻害されていきます。

今回の消費増税への動きも、国家のためとか、社会保障のためなどの美名の下、結果的に自由が阻害されるだけになる恐れがあります。為政者は、人間の自由を保全し拡大する哲学を根本に持って、政(まつりごと)を行わなければなりません。

 

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