2014年
2月
20

日本は「北朝鮮の人権問題監視を行う国家機関」の設立をすべき

217日に北朝鮮の人権に関する国連調査委員会報告書を公表しました。広範囲にわたる「人道に対する罪」を指摘しています。北朝鮮の「人道に対する罪」は、現在も続いているとし、国際刑事裁判所(ICC)への付託を含め、北朝鮮の人権状況に対する国際社会の緊急の行動を求めています

今回の調査対象となった人権侵害は、「食料への権利に関するもの」「拘禁施設に関するもの」「拷問と非人間的な処遇」「恣意的な拘束」「差別」「表現の自由の侵害」「生命に対する権利の侵害」「移動の自由の侵害」「外国人の拉致を含む強制失踪」です。

そして、「これほどの人権侵害がまかり通っている国は、現代では類を見ない」と強烈に非難しています。

ここで重要なことは「国際社会が北朝鮮住民を人道に対する罪から保護する責任がある」としている点です。

人道的介入」は「内政不干渉」とぶつかる考え方です。現在でも、シリア内紛で十数万人の人々が亡くなっています。これを「内政不干渉」として、シリア政府の意のままにして、国際社会が放置して良いのかという議論があります。

やはり、ジェノサイト、民族浄化など、神仏の目から見て正義に反する行為を行っている国があるならば、一定の歯止めは必要でしょう。

この「保護する責任」という概念から、軍事介入の可能性が国際正義として出てきます。今回の報告書は国際刑事裁判所(ICC)への付託という表現にとどめつつ、「国際社会の緊急の行動」を求めているのですが、その「緊急の行動」は漠然としています。

日本は今回の報告書を最大限に利用して、北朝鮮の自由化、民主化に積極的に寄与すべきです。

その際、国連と強調しつつ、日本独自でも「北朝鮮の人権問題監視を行う国家機関」の設立を行うことを提言したいと思います。

日本政府が、「北朝鮮による非人道的な行為に対して監視を実施する国家機関をつくる」ということです。日本人拉致被害者に関する問題、諸外国における拉致被害問題についても警鐘を鳴らして、北朝鮮に対する国際的な包囲網の形成を主導します。そして、北朝鮮の他国に関する国家主権の侵害行為についての国際広報を、積極的に行います。北朝鮮国内における自国民への残虐な統治状況について国際社会に理解を広め、最終的には、北朝鮮に対して国際社会による武力行使を含めた制裁強化への正当性を強化していくのです。

保護する責任」は国連安保理において2006年、2009年において決議をしております。あとは、いざという時に、軍事介入、武力行使の正当性を確保しておき、北朝鮮への具体的な圧力をかけていくのです

でなければ、北朝鮮の常套手段である「瀬戸際外交」に振り回され、挙句の果てに、制裁の効果が骨抜きにされていくことが繰り返されるだけです。

ある程度の強権をチラつかせることも厭わないという姿勢が、北朝鮮の政治体制の変革を実行ならしめ、北朝鮮住民の幸福につながっていくのです。現在でも強制収容所などで、塗炭の苦しみにあえいでいる人々が多数いるのですから、北朝鮮独裁政権を早く排除しなければならないでしょう。

ちなみに、気になることが一つあります。それは国連の人権理事会の理事国に「中国」が入っていることです。世界最大の人権蹂躙国家である「中国」が、厚顔無恥にも入っているのです。

まあ、いざというときは、国連という組織は当てにならないと思っておいた方が無難でしょう。やはり、日本独自でも、北朝鮮の人権蹂躙を監視する国家機関を設立して、プレッシャーをかけておいた方がよろしいと思います。

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