6月
07

貧困率の真実―左翼マスコミに騙されるな

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私は参議院長崎選挙区候補予定者として活動をしていますが、マスコミから候補者アンケートの依頼が多数来ています。
ある新聞社の質問項目に「“子供の貧困”など格差問題について、あなたの考えに近いのはどちらですか。①解消に向かっている、②格差は広がっている」というものがありました。
マスコミなどで、子供の貧困率などが話題となっています。何か釈然としないものを感じている方も多いのではないでしょうか。問題は、貧困率のとらえ方にあります。

日本の子どもの「相対的貧困率」は16.3%(厚生労働省2014年)であると発表され、報道があふれています。

ここで、貧困率について簡単な説明をします。貧困率には「絶対的貧困率」「相対的貧困率」があります。
絶対的貧困率」は「食糧や生活必需品などが買えないような人たちの割合」です。直観的には分かり易いと思いますが、貧困の基準が人や国によって違うので、統計には使いづらいという難点があります。
もう一つ、「相対的貧困率」がありますが、これが曲者です。少しわかりづらいですが「ある地域の大多数よりも、貧しい人たちの割合」と説明できます。
誤解を恐れずに言うと、国全体が豊かでも、所得の分布によっては、高い貧困率が出てしまうのです

結論を言えば、本当の貧困を表すには、「絶対的貧困率」で示すべきです。私たちの実感レベルの話をします。子どもの相対的貧困率が16.3%ならば、学校の一クラスが45人とすると、約7人の子どもが、貧困で食事もできないということになります。これは変ですね。

ここで、「絶対的貧困率」を表すグラフを示します。「データブック国際労働比較2012」のデータをグラフ化しました。「十分な所得がないために生活必需品を買うことができなかった回答者の割合」というものです。2002年のデータなので少し古いですがご容赦下さい。

【十分な所得がないために生活必需品を買うことができなかった回答者の割合】↓

データ貧困率図

このグラフを見れば、日本は国際比較しても豊かであって、先人たちのご努力に感謝すべきでしょう。もちろん、個別に見れば、貧困でご苦労されているご家庭もあります。それは、セーフティネットで、しっかりと対応すべきでしょう。できれば、お金持ちが慈善活動として救済に乗り出していただければありがたいです(日本は欧米のように寄附制度を充実する必要があります)。

とにかく「相対的貧困率」の数字のマジックに騙されてはいけません。左翼活動家やマスコミが、必要以上に「貧困だ、貧困だ」と騒ぎ立てていることもあります。そこには、愛の気持ちが全くないとは言いませんが、自分たちの主張を通すために、意図的に日本の現状に合っていないデータを使っている場合もあるのです。国民は冷静に、騙されないようにしなければなりません。

ちなみに、「相対的貧困率」の真実を、統計を使って説明できますが、専門的になるので割愛させていただきます。 ただ、結論をまとめると、以下のようになります。参考にして下されば幸いです。

  • 日本のような、諸外国と比べて格差の少ない国では、「相対的貧困率」は貧困率の指標にはなり得ません。
  • 「相対的貧困率」は、単純に生活必需品が買えないという本当の貧困よりも、日本国内の所得の分布によって高い割合が出てしまうので、指標には適しません。
  • 日本は年功序列の賃金体系があるため、比較すると若年層が低賃金となります。結果的に「相対的貧困率」が大きくなる傾向があります。
  • 「相対的貧困率」は可処分所得を対象に計算されるので、家や自家用車を持ち、財産がある人、田畑がある人など、可処分所得が低い人も貧困層に区分されてしまいます。

 

【参考】ここからは、ネットに「相対的貧困率」の怪しさを分かり易く説明した例がありましたので紹介させていただきます。気力がある方はお読みください。

A国B国があるとします。それぞれ国民が11人いたとしましょう。 A国の所得分布が10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,100ドルとします。B国の所得分布が5,10,20,30,40,50,60,70,80,90,100ドルとします。
どちらの国の格差が大きいかと言えば、明らかにA国になります。A国ではトップの一人(100ドル)以外は、全員がB国の下から3番目の所得以下です。
ところが相対的貧困率はどちらが高く出るかというと、B国の方なのです。
A国の所得の中央値は15ドル。相対的貧困率は中央値の半分以下の所得の人という定義なので、15ドルの半分=7.5ドル以下の所得の人が相対的貧困に該当することになります。となれば、A国での相対的貧困者の該当者はゼロとなるのです。
一方、B国の所得の中央値は50ドル。その半分の25ドル未満が「相対的貧困」とみなされるので、該当者は20ドル以下の3人となります。
つまり、「中間層が多い」国の方が、「一部の大富豪以外は全員が貧乏」というような発展途上国よりも「相対的貧困率」は高く出てしまうのです

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