自民党は都議会選の公約で「地球温暖化対策のために、2030年までに30%ものCO2を削減する」と主張し、再生可能エネルギーの利用を促進すれば、それが可能になると言っています。しかし、経済活動が活発になればCO2の排出増加は避けられないことは言うまでもありません。この公約は、足枷をはめながらマラソンを走ろうと言っているようなものです。これだけの目標値のCO2を削減しながら、経済成長を続けることなどできず、東京が「繁栄ナンバーワン都市」になることもできないでしょう。
そもそも、人為的な温室効果ガスの排出が地球の気温上昇の主因であるとする仮説には大きな不確実性があり、そのことは、地球温暖化を専門とする科学者の機関であるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)も、「気候感度の不確実性」として認識しています。
今の地球温暖化対策の仕組みは、CO2を減らしてきた日本が重荷を負い、大量のCO2を出し続ける中国等の負担が少なくなるようにできています(党声明「米大統領によるパリ協定離脱表明を受けて」参照)。
しかも、世界のCO2排出量(2014年)のうち、中国が約28%、アメリカが約16%を占めています。そのうち3.6%しかない日本が必死にCO2を減らしても、実際は、どうにもなりません(『EDMC/エネルギー・経済統計要覧2017 年版』)。
安倍政権はパリ協定で2030 年までに26%ものCO2 削減(2006年比)を約束し、自民党は、都議選で2030 年までに30%ものCO2 を削減すべきだと公約しています。これは都民に負担を押しつける公約に他なりません。安倍外交のツケが、自民党都連によって、都民に回されているのです。