2013年
8月
27

福島汚染水の海水放出問題

よく現場を回っていると、「福島の汚染水の海水放出問題」の是非について質問を受けます。

まずは、過去の報道の一部を紹介します。

「東京電力福島第1原発から高濃度の放射性物質を含む汚染水が海へ流出している問題で、東電は2日、平成23年5月から流出し続けたと仮定した場合、海へ流れ出た汚染水に含まれるトリチウム濃度が推計で最大約40兆ベクレルに上るとの試算を発表した。保安規定上のトリチウムの年間放出基準値は22兆ベクレル。原発で発生するトリチウムは、濾過(ろか)などで取り除けないため、電力会社は原発ごとに基準値を定め、管理しながら海に放出している。原子炉の数や稼働率により幅はあるが、各地の原発でも年間数百億~100兆ベクレルが放出されている。東電は「保安規定の年間放出基準値と同程度だが、安全確認できていない状態での流出なので好ましくない」との見解を示した」(2013.8.2産経)

「東京電力福島第1原発から放射性物質に汚染された地下水が海洋に流出している問題で、東電は21日、平成23年5月から流出していたと仮定した場合、港湾内へ流れ出た汚染水に含まれるストロンチウム90が推計で最大約10兆ベクレル、セシウム137は20兆ベクレルに上るとの試算を公表した。ストロンチウムは毒性が高く、漁業関係者の反発がさらに強まるとみられる。合算すると、保安規定に定められた通常運転時の海への年間放出基準値(トリチウムを除く)の約100倍に相当する。東電は「海水中の濃度は、規制の濃度限度(ストロンチウム1リットル当たり30ベクレル、セシウム90ベクレル)を下回っている」と説明している」(2013.8.22産経)

そして、ある専門家にヒアリングした内容です。

「基本的には福島第一周辺のごく一部の海域を除けば全く問題ないレベルです。福島第一周辺では一部で高濃度の放射性セシウムが検出される水産物も出てきましょうが、魚種を選べばそれほど心配するレベルではないものと考えられます。当たり前の話ですが、海域に放出されたら、拡散、希釈されるので、ごく近場以外は影響がありませんし、近場であっても魚の多くは絶えず移動しているので、極端に高濃度となるケースは多くありません」

現時点では、海に放出されたら拡散、希釈されるので、影響がないようです。

反原発勢力による極端な「東電たたき」パフォーマンスや報道に惑わされることなく、冷静に対策を行っていくことが大事ではないでしょうか。

もう一度言います。原発を目の敵にしている人の発言、そして原発撤廃を目指しているマスコミの報道は、バランスを欠いているので注意しましょう。

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