昨日のブログでは、イランの核問題について書きました。ウラン濃縮について質問がありましたので、かんたんに解説します。
天然ウランには、ウラン238、ウラン235、ウラン234があります。
このうち核分裂を起こすのがウラン235で、天然ウランにおける含有率は0.7%しかありません。このウラン235を濃縮して取り出すことをウラン濃縮と言います。
その際、遠心分離機などを使います。よく遠心分離機を敵対国に輸出してはいけないと言われるのは、ウラン濃縮に使われたら核兵器を作ることができるからです。
そして、3~5%の低濃縮ウランは原発燃料になります。90%以上の高濃縮ウランは核兵器に使用されます。
イランは癌治療用のアイソトープをつくる原子炉で使うためとして、濃縮度19.75%のウランを製造していました。
この20%への濃縮技術は、核兵器となる90%の濃縮技術に近いとされ、軍事転用への恐れが高まります。
先日のイラン核問題合意では、5%の低濃縮ウランのみ認められました。20%濃縮ウラン製造を認められなかったのは、すぐに核兵器製造が可能となるからです。