昨年末において、安倍政権は「特定秘密保護法の成立」「国家安全保障戦略の策定」「靖国神社参拝」「沖縄普天間基地の辺野古移転」など、幸福実現党が従来から主張してきた国防政策の一部を果敢に実行しました。
国をしっかりと守ることは、政治の最重要案件なので、我党も評価しています。ただ、中国や北朝鮮の脅威は増しており、安閑としていられません。また、自由主義陣営の一角である韓国の度が過ぎる反日運動も捨て置けません。
まだまだ東アジアは緊張関係にあるので、私たちもしっかりと国防における提言をしていくつもりです。安倍政権も、しっかりと筋を通しながら、安全保障政策を推し進めていただきたいものです。
さて、国防面においては、一定の評価が可能ですが、経済においてはどうなのでしょうか。
本日、私はある経済団体の賀詞交歓会に参加させていただきましたが、そこでの会頭スピーチで「アベノミクスによって景気が良くなった」と礼賛していました。
しかし、我党は「アベノミクス」は危険な状況にあると考えています。
金融政策における量的緩和は、我党も立党時から主張してきたことです。日銀の黒田総裁による異次元?緩和によって、景気が上昇気運になり、株価も1万6千円台まで伸びました。
しかし、民間企業の業績が回復しているとは言えない状況です。金融緩和によってお金が市中に出回ってきましたが、そのお金が健全な民間投資に回るのではなく、株式市場に回っているので株価が上昇していると見るべきでしょう。つまり実業における堅実な投資にお金が回っていないのです。
このような状況の中で、消費増税を昨年の10月1日に政府が決断したことは痛恨の極みなのです。
さらに、安倍政権の傾向性ですが、民間企業に対して「賃金を上げろ」などと主張しています。このような主張は、我党からみれば、社会主義の臭いを感じます。
これは保守政党において起こりがちな事態です。共産主義、社会主義を否定している保守政党が、国民を一定の方向に誘導したいという思いが行き過ぎて、国家社会主義に陥るという逆説が起こるのです。
安倍政権は、社会主義的傾向が強くなりつつあるので、経済の発展が阻害されはじめるでしょう。
その根本には、財務省にある「財政再建」にこだわる考え方があります。政府主導ですべてができるという「思い上がり」が統制経済へと移行させてしまうのです。
ここが、安倍政権の「落とし穴」と言えるでしょう。
もっと自由主義の思想を入れなければなりません。
私たちは「安倍政権は、経済成長をしたいのか、財政再建をしたいのか、どっちつかずで、考え方がダッチロールしている。結局、経済が分かっていないのではないか。経済政策においては、八方美人的な考え方ではダメだ」と心配しています。
幸福実現党は、経済思想においてアダム・スミス、シュンペーター、ハイエクの経済学を主軸に、一部ケインズ的な考え方も導入しています。そして、その根本に発展・繁栄や富を肯定する哲学を持っています。
経済の根幹から考えることができる政治家が必要でしょう。でなければ、財務官僚の嘘を見抜き、指導することができません。
安倍首相が、この「落とし穴」に気づき、修正することを期待します。