安倍首相が12月26日に靖国参拝を行って、中国、韓国から批判が巻き起こりました。そして、左翼メディアはもちろん、読売新聞も批判を行っていました。
その読売新聞が批判している論点に、「A級戦犯」が靖国神社に合祀されているということがあります。
「靖国参拝が政治問題化した背景には、極東国際軍事裁判(東京裁判)で処刑された東条英機元首相ら、いわゆる『A級戦犯』が合祀されていることがある。靖国神社は、合祀した御霊を他に移す分祀は、教学上できないとしているが、戦争指導者への批判は根強く、『A級戦犯』の分祀を求める声が今もなおある。(中略)今の靖国神社には、天皇陛下も外国の要人も参拝しづらい。無宗教の国立追悼施設の建立案を軸に誰もがわだかまりなく参拝できる方策を検討すべきである」(読売新聞12月27日社説より抜粋)
さて、A級戦犯を合祀しているから、首相の靖国参拝は行ってはいけないのか。検証してみましょう。
A級戦犯は、BCよりも罪が重いという主張がありますが、ABCというのは戦犯としてのただの分類と言えるのです。
具体的には、Aは戦争を遂行した国家の指導者など、Bは戦場の指揮官など、Cは実行した兵士などを指します。
そして、A級戦犯は犯罪者でないことになっています。サンフランシスコ条約十一条の後半に、戦犯を免罪する条文があり、関係国が許せば免責されました。そして、国内外とも戦犯はいなくなりました。
A級戦犯とされた人物で、重光葵と言う人がいます。彼はその後、外務大臣となり、国連でも演説しています。その際、どの国も文句を言いませんでした。
ですから、A級戦犯が合祀されているから、靖国参拝は不当であるということはおかしいと言わざるを得ません。
さらに、本質的なことを言えば、戦争というものは、全て「神VS悪魔」というような図式になるわけではありません。「価値観と価値観のぶつかり合い」という戦争もあるのです。
例えば、源平合戦の源氏と平氏の戦い。戦国時代の各地の合戦。幕末の佐幕派と倒幕派。海外に目を向ければ、アメリカの南北戦争などもそうです。負けた南軍の戦争指導者にも立派な方はいました。負けた方が、すべて悪魔だったのでしょうか。そんなことはありません。
時代の変化の端境期には、戦争が起こり得ます。
ですから、戦争に負けたからと言って、負けた国の指導者が全て「悪魔」という認定をしてよいかと言えば、そうではないのです。
特に、第二次世界大戦においては、東京裁判という不当な裁判によって、真実が歪められています。国の指導者ということだけで、極悪人とは限らない場合もあるのです。
歴史のとらえ方を多角的に検証する必要があるでしょう。日本のメディアは、第二次世界大戦に至る過程を、しっかりと学んでいただきたいと思います。日本のメディアだからこそ、しっかりと宗教から学び直し(慰霊や供養の霊的真実など)、歴史を見つめ直して、高い見識を持ってもらわなければ困るのです。
結論は、A級戦犯が靖国神社に合祀されているからといって、一国の首相が靖国参拝をやめる理由にはならないということです。