2014年
10月
23

五島列島沖に迫る危機

鳥島地図1023日(木)、長崎県本部の山田聖人副代表、兵庫県本部の湊ゆうこ副代表とともに、五島市役所を訪問し、五島市市長公室長の久保実氏と懇談しました。目的は五島列島沖にある通称:肥前鳥島に関係する領土・領海問題について意見交換するためです。

実は2014124日、長崎県五島市の訴えもあり、国土地理院は、五島列島沖の東シナ海にある3つの「岩」(通称:肥前鳥島)の名称を「島」に変更しました

肥前鳥島(北小島、中小島、南小島)は、日本の排他的経済水域(EEZ)設定の基点となっていますが、韓国は「岩なので基点にならない」と主張しています。島周辺では中国や韓国の漁船の違法操業が常態化しており、島に名称を変更することで、日本のEEZ内であることを明確に示す狙いがあります

また、東シナ海では、中国の虎網漁船やかぶせ網漁船などによる乱獲が深刻化しています。尖閣諸島をめぐり日中間の緊張が続く中、海上保安庁の活動も尖閣周辺に集中。五島列島沖は手薄となっており、これに乗じて中国漁船が急増しているとみられます

代わりに海の監視役を担ってきたのが日本漁船なのですが、中国船による養殖筏や定置網の損傷に対して、国による補償はなく、さらに乱暴な中国漁船とトラブルになり、船が損傷しても泣き寝入りするしかない状況です。

五島市の地元からは「地元の漁業者は非常に不安を感じている。このような事態が続くと地元漁業者はもとより、国内各地の漁業者の安全・安心な操業が危ぶまれることになる」「竹島や尖閣諸島のように、中国や韓国が唐突に領有を宣言するのではないか」という懸念を強めていました。

DSC00563五島市は野口市長が先頭に立って、領土・領海問題に取組んでいますが、久保室長からは「地方自治体では限度がある。領土・領海問題は国が責任を持って対処しなくていいのですか」という意見が出されました。もっともです。

根本問題は、日本国民の潜在意識に不当に植え込まれてしまった自虐史観によって、中国や韓国に強く主張することに「引け目」を感じてしまうことにあります。正当な意見は、ハッキリと主張しなければなりません。悪いことではないのです。

まずは、自虐史観を払拭したうえで、国民が「国境を守らねばならない」という意識を強く持たねばなりません。そして、島嶼防衛、離島振興への後押し領海やEEZの監視役としての日本漁船への燃油支援など、国防の範疇での漁業育成も考えなければならないでしょう。さらに、海上保安庁の強化自衛隊が機能的に動けるような法改正及び防衛能力の向上、究極的には憲法9条の改正まで必要となります。

来年は戦後70年の節目の年となります。日本人の意識変革を迫られる年となるのではないでしょうか。

 

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