2013年
10月
04

米政府機関閉鎖の真相。日本にとって対岸の火事ではない。

米国の予算成立期限である9月30日、連邦議会において共和党と民主党の対立が解けず、予算が不成立。これに伴い、政府機関の一部が閉鎖されました。約200万人の連邦公務員のうち最大80万人が一時帰休に追い込まれているとのこと。この影響でスミソニアン博物館や自由の女神像などが見学できなくなったようです。

米政府機関閉鎖なぜこのようなことが起こったのか、からくりは次のようです。

米国には、1917年から始まった債務上限という仕組みがあります。しかし、歴代大統領は上限引き上げを繰り返していて、過去50年間で70回以上も引き上げられています。半ば年中行事みたいで、債務上限引き上げは米国の伝統でした

ところが、誤解を恐れずにざっくりと言うと、社会保障の充実(オバマケア)などの「大きな政府」を目指すオバマ政権、「小さな政府」を目指す共和党との、“国のかたち”をめぐる戦いが始まり、共和党が債務上限を「人質」にとって上限引き上げの対価を求めるようになりました。

これは、危機を作り出して自らの言い分を通そうとする「瀬戸際戦術」であり、米国の慣行から逸脱しているとの批判もあります。(ただ、米国が「大きな政府」を目指すとなれば、事は重大であり、瀬戸際戦術を容認したくなるのも理解できますが)

そして、一昨年の夏にオバマ政権は妥協して、債務上限を引き上げる代わりに、予算削減を義務付け、民主・共和が合意できなかった場合、向こう十年で問答無用に一兆二千億ドルを削減されることが定められました。これが「強制削減」と言われるものです。

オバマ2ここで大事なことは、オバマ政権は強制削減に「国防費と非国防費で半分ずつ」という仕掛けを組み入れたのです。こうすることで、共和党は国防費を減らすことを嫌がるので、妥協してくるとの読みだったのでしょう。

しかしながら、共和党が折れなかったのです。それで、米政府機関が閉鎖となりました。そして、その時限爆弾としての巨額の予算強制削減が国防総省を襲いはじめ、陸軍や海兵隊など、十数万人規模での削減が現実味を帯びてきました

ここまで根気よく読まれた方は、「対岸の火事」と思えなくなったのではないでしょうか。すなわち日本の防衛を直撃するかもしれないのです。

幸福実現党としては、大きな政府を目指し、世界の警察官を辞めようとしているオバマ政権に対しては、地球的正義の立場から問題があると考えています。米国がすべて正しいわけではありませんが、少なくとも自由主義の旗頭ではあります。中国などの共産党独裁国家やイスラム的な束縛の強い国家が、世界規模で影響力が増してくることは避けたいと考えています。やはり、神仏を尊びながら、自由からの繁栄を目指す国が理想です。そのためには、米国にもうひと踏ん張り頑張ってほしいところです

米国内の政治力学まで、日本から口出しをすることはなかなかできませんが、米国が一国平和主義に陥ることなく、国家としての使命を果たしてほしいと願います。ただ、自由と民主主義を守るために、米国だけに仕事を押し付けるのではなく、「日本も世界のリーダーとしての自覚が必要だ」というのは言うまでもありません。

世界は日本に正当な役割を求めています。日本も一国平和主義ではだめです。世界への貢献は、高度な政治システムをもって、経済が発展し、国民が自由を享受している国としての使命です。

そこまでの未来ビジョンを描き、政策に落とし込んでいるのは幸福実現党だけです。幸福実現党は、日本のみならず、地球的正義から提言できる政党です。是非とも、期待していただきたいと思います。

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