2014年
3月
06

偽善の全人代。中国こそ国際秩序を乱す元凶である。

昨日5日より、中国の北京で全国人民代表大会が開幕しました。

その中で、2014年予算案によると中国軍事費が約135000億円で前年実績比12.2%の伸びとなっています。4年連続の2桁増で、日本の防衛予算の3。実態は、外国からの装備購入や研究開発費は別枠なので、もっと大きいはずです。経済成長率が鈍化しているにもかかわらず、軍備増強は加速させているところに、中国の本心が出ていると言ってよいでしょう。

李克強首相は「平時の戦闘への備えと国境・領海・領空防衛の管理を強化する」「国防科学技術研究とハイテク武器装備の発展に力を入れる」「海洋強国づくりに力を入れる」「国家の海洋権益を断固として守る」「軍における思想・政治教育をしっかり行う」などと述べました。

対外強硬の保守色を強く出し、完全な軍拡路線です。海洋進出、制空権強化をあらわにし、今後は、南シナ海でも防空識別圏を設定する勢いです。

また、経済改革的な表現がなくなり、毛沢東時代の言葉を復活させているところに特徴があります。あきらかに習近平主席の特徴である軍重視、経済音痴が見て取れます。

さらに、李克強首相は「第二次世界大戦の勝利の成果と戦後の国際秩序を守り抜き、歴史の流れを逆行させることは決して許さない」と発言しました。

しかし、言わせてもらえば、中国共産党は、先の大戦で勝利者ではないはず。さらに、戦後の国際秩序が本当に正義なのか。中国共産党は、第二次大戦の死者を上回るほどの粛清、虐殺を行っています。その上、近隣諸国(チベット、ウイグルなど)に対する侵略も行い、民族浄化まで踏み出しているにもかかわらず、「国際秩序」ときれいごとを述べていることに「偽善」の臭いがプンプンします。

軍事力を背景に、国際秩序を壊そうとしているのは、当の中国でしょう。本当に、国連安保理の常任理事国としての適性があるのかと言いたい。

軍事力増強の前に、PM2.5などの環境改善や、中国国民のための社会保障を拡充することを願いたい。

一方、アメリカは安全保障戦略の指針となる「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)を発表。

内容は「アジア重視」「米艦船の60%をアジア太平洋へ移す」「日本、オーストラリア、韓国、フィリピン、タイとの同盟関係強化」などでした。

しかし、中国・北朝鮮に対して意識しつつも、具体的に中国・北朝鮮に関する記述に進展はありませんでした。中国の防空識別圏設定や南シナ海での実効支配拡大に対しても言及しておらず、オバマ政権らしい中国に対する腰砕け的な配慮を示しているのでしょう。

 アジア重視の言葉が見られますが、アメリカの国防予算は5.9%削減で、この歳出削減の圧力はアジア太平洋地域にも及んでいます。QDRでは「空母を含む太平洋での現在の軍事力の維持は困難に直面する」とも言っており、危機感を持っています。

ここで、アメリカは、日本などの同盟国との軍事協力の進化をアジア重視戦略の「中心」に位置付け、日本の集団的自衛権容認にも期待しています。

中国の異常な軍備増強によるアジア太平洋地域への覇権確立意欲に対し、アメリカの軍備縮小による世界の警察官放棄とう現状からして、日本の役割は世界の安定にとって極めて重要になってきています。

今、中国、北朝鮮、韓国による反日外交、その影響で、欧米からも歴史認識の問題で、日本を悪く言うような風潮が出てきていますが、冷静に世界情勢を見たときに、日本のプレゼンスを上げるチャンスと言えます。日本は歴史認識を含めて、事実誤認や一方的見解に基づく中国、韓国の主張に反駁し、「自由主義、民主主義、資本主義」そして、その根本にある「信教の自由」「表現の自由」など、人々を幸せにする価値観を守る国として、立ち上がらねばなりません

時代が日本を必要としているのです。

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